変性疾患・画像解析が専門ですが、脳神経内科のgeneralistを目指しています。

先日開催のパネルディスカッション「重症GBSに対する2回目のIVIgはどう考える？」では、たくさんの先生方にご視聴頂き大変ありがとうございました。また、廣瀬先生、伊佐早先生からは臨床現場での悩みも含め実践的な内容に関して様々なご意見を頂き、私自身大変勉強となりました。パネルディスカッションの内容をMedixpost事務局でまとめて頂きましたので、共有させて頂きます。
---以下事務局より---
先日のセミナーは第12回に引き続き大盛況でした！
3人の専門家の先生にご意見をいただいた上で書き下ろし記事を以下にまとめさせていただきました。
ただ、以下のまとめは冒頭の一部にとどまっており、ディスカッションではその場でしか話せないような専門医の先生の知見がたくさん含まれております。
そこで、本日〜2024/12/9までに「投稿」もしくは「コメント（どの投稿に対してでも構いません）」をいただいた先生に限定してアーカイブ動画を配信させていただきたいと思います。
「コメント」は御礼など一行程度でも問題ございませんし、追加のご意見やご質問でも構いません。
以下、書き下ろし記事です。
・重症GBSに対する2回目のIVIgは行うべきか？再投与の適応となる患者は？
・伊佐早健司先生
まず一点目のそもそも投与した方がいいかどうか？という点についてですが、当施設では経験的に2回目のIVIg投与を行っています。確かに先ほどのSID-GBS studyが出た直後にはかなり論文自体のインパクトがありましたので、一例DVTがあったりなどの理由で避けた方はいましたが、基本的には当施設では2回目の投与を行っています。
再投与の適用となる患者というところですけれども、そもそも2回目を考えるタイミングというのは、先ほど講演でも提示いただいたような最初から非常に重度、もしくは治療したけれど何も反応がないという状況と思います。その時点で心がけていることは2点ありまして、一つは本当にギランバレー症候群の診断であるのかどうかを見直すということ、もう一つはIVIgを使うことによるリスクがあるかを確認することになります。リスクとしては、元々心筋梗塞や脳梗塞、DVTがあるなどの血栓症のリスクが重要になります。
1点目の診断を見直すというところですけれども、やはりGBSという疾患は典型例のように見えてもですね、実は診断が違ったという症例を経験することがしばしばありまして、ガイドラインにも記述がありますが、重症筋無力症やbickerstaff型脳幹脳炎、傍腫瘍症候群などの免疫疾患や周期性四肢麻痺、中には機能性障害といった症例も経験されます。傍腫瘍症候群であれば、腫瘍の治療を並行して行う必要があったり、免疫治療が効果のない疾患の可能性があるなど、治療の方向が変わる鑑別診断については、特に積極的に鑑別していくことが重要だと考えています。
まとめますと、診断を見直してやはりGBSの診断で矛盾がなく、かつDVTなどの血栓症がない方というのが再投与の適応になると考えています。
・廣瀬文吾先生
やはり吉村先生の講演でもあった通り、IVIg以外の治療選択肢が限られるというところが大きいかと思いますが、札幌医大でも重症な患者さんには2回目のIVIgを投与していることが多いです。ここ数年の患者さんのデータを簡単にまとめたのですが、3.4年の間にフィッシャー症候群を除いたGBSの症例が9例ほど来ており、そのうち4例で2回目のIVIgを投与しています。データを比較してみますと、IVIgを2回投与した症例では発症後入院するまでの日数が平均 3.75日であったのに対し、1回しか投与しなかった症例では発症後入院までの日数が平均11日となっており、やはり入院してくるまでが早い患者群で対象になることが多いという傾向がありました。予後スコアも総じて高い患者さんで2回目を行っていることが多く、やはり歩けなかったり、ほぼ寝たきりの状態になっている患者さんに対して、治療法が他にないという形で、2回目のIVIgを行っていることが多かったです。
投与間のインターバルとしては、結構まばらですけれども、4例で9日、12日、17日、20日とご講演でご提示いただいた論文よりは少し長めに間隔をあけて2回目を投与している傾向がありました。効果としては半々ぐらいで、2回目を投与しても十分な効果が得られなかった症例が2例、独歩で自宅退院できた症例が2例という結果でした。
・吉村賢二先生
ありがとうございます。私も必要な症例では2回目のIVIg投与を行わざるを得ないかなと考えております。今回講演で挙げさせていただいた自験例などでは治療方針に苦慮しまして......
→ディスカッションが続きます。
重症GBSに対する2回目のIVIgというテーマで各先生方の考え方やご経験について、3人の先生に熱いディスカッションをいただきました！
続きは是非、アーカイブ動画をご覧ください。
視聴を希望される先生はコメント（どの投稿にでも構いません）や投稿をよろしくお願いいたします！

2024/11/11「重症GBSに対する2回目のIVIgはどう考える？」：パネルディスカッションまとめ

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