研究対象として神経免疫学を選びました。
臨床家としては、幅広く対応できたらと思っています。

MSの診断について自分の見解を書くように約束しているのに、他の話題で申し訳ないです。明日、診断について書きたいと思います。
生き方下手と言われるんですけど、７月15日のNMOSDに関するアレクシオン主催の全国講演会の感想です。分子標的薬Firstあるいは初期段階での使用、全患者への検討をするという方向性を否定はしません。ですが、医学と医療は異なる側面もあります。
全く触れられなかった医療経済の影響は考えなくてもいいのでしょうか？感染症リスクはその個人の持っている特性（年齢、肥満、糖尿病、歩行能力、そのほかの合併症）などによって違います。明らかなことで意識されていないことは、40歳以下の歩行能力のある、そして糖尿病、肥満、尿路感染症素因などほかの合併症がなければ、B細胞標的薬もIL-6R受容体抗体薬もほぼ感染症の重症化リスクはありません。一方、抗補体薬の髄膜炎感染症や淋菌へのリスクは若年者でもあります。
講演会の結論が間違っているとは思いません。ただ、疾患修飾薬の優劣をスライドに記載することをあれほど気にする製薬会社が、ユルトミクスを全例に使用した方がいいかのようなアンケート結果を誘導することが許されるのかはなはだ疑問です。
脊髄炎の重症の対麻痺は1ヶ月以上たってから回復しはじめることがあります。それは、治療によりません。急性期にユルトミクスを使用できたらいいとはおもっていますが、それを示唆する例として紹介された症例にも納得がいきませんでした。
抗体を標的にするのか、補体を標的にするのかというお題も納得できませんでした。B細胞標的薬の作用は抗体低下を主とはしていません。あのメンバーなら全員わかっていたはずです。
すごく違和感を感じた講演会でした。参加者がどんどんユルトミクスを使用します、って言っていくのが怖くもありました。

NMOSD講演会への違和感

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